虫が起きた...かも。

全日空機内にて。
ドリンクサービス回ってきたところで目が覚めて、ふとスクリーン見たらば...あぁ、今月のプログラム、こんなんだったんだ。
ベルリンフィルと、常任指揮者サイモン・ラトルのドキュメント。思わずヘッドセットつけて見入っちゃいました。機内プログラムでそんなもんやるなんて思ってないから、まったく無防備で。
オーケストラのリハーサルを軸に指揮者・楽員へのインタビューやらホールとか街の紹介を絡めつつ〆はゲネプロという、まぁごくごく普通の構成で、ドキュメンタリーとして特に出色ってものじゃなかったけど...なにしろひっさしぶりなんですよ、この手のものに接するの。
音楽を作る現場。イメージを伝える指揮者、受け取って音にしていく楽員たち。映像記録ではあるけれど、まさにその場で音が奏でられていく、しかも人間が直接鳴らすアコースティックな響き。
題材はブラームス交響曲第2番通称ブラ2でやや通俗ながら、私自身さんざん演奏した曲だし。〆の場面が本番ステージじゃなくてゲネプロだったってのがまた、現場感覚を高めていて。
音楽の現場から離れて、もう5年近くになります。所属していたオーケストラをとある事情で脱退してから、一度も本番ステージに乗ってない...当然、創り上げていく過程の現場にも、いない。あれはですね、自分の心身ひたすらフルに使ってその場リアルに経験をぶちまけていく、ちと何物にも替えがたい場、なんです。リハのあとのビールのんまさも含めて。
なんかいろいろ胸に迫ってきて、ドキュメント見ながら涙ぼーろぼろでした。
演奏そのものはぜんっぜん好みじゃなかったですけどね...第一にテンポ遅すぎるし、細部にこだわりすぎだし。ブラ2なんてのはもうちっと、単純に生理的な快感に寄った部分があっていいと思うんだけどね。まぁ音もモノラルですしね、んだから要するに、奏でられてる音楽に泣いちまったわけじゃなくて、遠ざかってる現場感覚をまざまざ思い出してぼーろぼろ、ってことですね。くたびれすぎてて情動失禁になってるだけって話もあるけど。



うーん...やっぱ音楽やりたいなぁ、あの現場感覚の中にいたいなぁ。と、眠ってた虫が起きちゃったかもよ、て話でしたのさ。あ〜ステージステージリハリハリハリハリハステージ。やりてっ。